貶め入れられた天使 4 - 貶め入れられた天使

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貶め入れられた天使

貶め入れられた天使 4

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 柴田に詰めよられた飛鳥は思わず指を噛んだ。

「一生遊んで暮らせるチャンスをお前はやすやすと逃《のが》すのか」

 飛鳥は思わず舌打ちをした。

 

 

 卒業式が終わり秋穂はアルバイトをしていた。

 大学入学を控え、いつも通りの岐路に秋穂はつこうとしていた。

 自転車で薄暗い一角を走り抜けようとしたとき、猛スピードで走り抜けたバイクに秋穂は大きく転んだ。

「大丈夫ですか?」

 紳士を気取った一人の男が転んだ秋穂に手を差し伸べた。

「ありがとうございます」

 不意をつかれたような秋穂は歩みよった男に警戒をしていない。

「酷い怪我だ。急いで」

 秋穂は思わず大きく擦りむいた足を動かし止めた。

「病院へ行きましょう」

「いや、大丈夫です」

 秋穂は直感的に可笑しいと感じこの男にはじめて警戒をつのらせた。

 しかし秋穂の真後ろで止まっていたワゴン車が動き出す。

 ワゴン車のドアが開き、慌てだした秋穂を男が突き飛ばし入れた。

「いや!」

 秋穂は暴れ動こうとしたが狭い車内で後ろ手に手錠をかけられた。

 スタンガンが放たれる。

 助手席に座っていた男が辺りを窺う。自転車が歪に薄暗い路地に転がっている。

 後方にもう一台のワゴン車が続く。

 怪しまれないように後続車の車に自転車が入れられた。

 時間にして数分の出来事。近郊住人が不審な音に気づいても、もう痕跡は残っていない。

 助手席の男が河口に連絡を入れる。

 河口の連絡に柴田が動く。

 飛鳥は柴田の指示に貧乏ゆすりのように激しく足を動かし怒りを柴田に突きつけていた。

「いいな!」

 柴田の怒声に飛鳥が白々しい溜息をこぼす。

「はい、はい」

 開店前の店内で飛鳥が苛立ちをつのらせている。

 ホストは完全なる縦社会。

 後輩に怒り任せに飛鳥は蹴りをいれる。

「あのババァ!」

 怒りが収まらない飛鳥は椅子を蹴飛ばし大声で叫ぶ。

「クそババァ! いつかぶっ殺してやる」

 柴田は飛鳥にきつく指示を言い渡す。

「いいな!」

「はい、はい。やればいいんでしょう! やれば!!」







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