生贄  出版化 - 1ページ目84 - SM小説 異端者

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SM小説 異端者

生贄

電子書籍として出版が決まりました。 最新作品はこちらから→ TOP  ここぞとばかりにヤクザが練り歩く繁華街。  二人一組で腕を組み、勇ましい兵隊歩き。  その光景を静かに見遣る宮下がいる。    まさにサバイバル戦。  クリエイティブな仕事で宮下は大きく敗北していた。名誉挽回とした熱意もないまま、宮下は退職を考えていた。  なにもかもが順風満帆であった頃が嘘のように宮下は仕事から...

生贄 2

 なにかビジネスを始めようと宮下は考えていた。  よくありがちな男の浅はかな計算だ。  風俗へ行けばコースによっては2万近い金額を払うことになる。  女の子がそう稼げないことを言っているがたまたま接客した女の子がそうで稼げる女の子は天井がないまでに稼いでいるのではないか。  お客が10人これば2万として20万。  まさか、10人なんてことはないだろう。  宮下は一ヶ月で年収に近い金額が...

生贄 3

 ガイドは「戸籍がない」と云うとにやりと笑った。中国には戸籍がない男女が多く存在する。一人っ子政策から毀れ落ちた。  つまり――生まれながらにして人間ではない。 「殺しても合法なんです。この世に存在しない幽霊なんですから」 「処刑?」 「接客から漏れた女を殴るも蹴るもよし。殺してもいいんですよ。愉しいですね。騒いでいる女らは、ただの的ですよ」 「人形なんですね」  あまりに生々しい光景に...

生贄 4

「うん」  宮下は目先の金額に目を輝かせた。この先にとんでもないモンスターがいるとも知らず啜るビールが束の間の美酒を与える。  参考程度に何件かの主催を見て回ろうか。金額も大したことはない。  適当に決めると宮下は参加の連絡を入れた。風営法があればハプニングバーでもいいだろうが、我が物顔で歩くあの練り歩きが妙に引っかかった。  スマートフォンで連絡を入れるとあっさりと「参加していい」と言わ...

生贄 5

 指定されたマンションのなかに宮下ははいると古ぼけたエレベーターにのった。築年数は古そうだが造りがしっかりとしていそうな厳つい概観が特徴的だ。  マンション内に入ると宮下はポストをチェックしていた。管理されていない物件はポスト周辺がポスティングされた広告などが無造作に捨てられていることが多い。が、綺麗に掃除されていた。  エレベーターの階数を宮下は押す。意外と奥行きのある大型マンション。築年数...