宿カレ・宿カノ 出版化 - 1ページ目74 - SM小説 異端者

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SM小説 異端者

宿カレ・宿カノ

 時に占いにすがりつきたいと思うことがある。 「これ、どう? 千春ちゃんのアイディアなんだけどね」  名ばかりの編集長、北村は社長から手渡された一枚の紙に目を通す。 「あの子、発想だけは、いつもいいんだけどな」  豪快に笑い、慌ただしく社長室にむかう社長の後ろを呆れ返った思いで北村はみていた。細々とした収益で成り立っている小さな出版社だ。  売れた利益で単行本をだすのが夢な小さな会社。 ...

宿カレ・宿カノ 2

 面接にもならなかった面接を終えた北村は岐路につこうとしたとき社長である稲葉に呼び止められた。 「夢は夢。僕は思うんだ。ひとは挫折しながら大人になっていくんじゃないかと。だからこそ綺麗ごとを言いたがる。苦労を知らないひとは自分のことだけを話したがるもんじゃぁないかな。目先のことしか考えていないから会話が成立しない。考えていないから苦労がない。君が夢描いているこの世界もけっきょくは一緒じゃないかな...

宿カレ・宿カノ 3

「ここは子供の遊び場ではないの!」  結城のヒステリックな声が轟いた。北村は二枚目にも目を通さず乱雑に丸めるとゴミ箱に投げ捨てた。 「煙草買って来てくれ」  一瞬、項垂れた千春だが北村が手渡した1000円札を千春は受け取ると「はい」と言ってフロアを出て行った。 「編集長! もっとあの子にきつく言ってください。毎日ですよ、懲りもせずに毎日、毎日、くだらない作文を持ってくる。ここは小学校じゃな...