真夜中のラブ・ソング出版化 - 1ページ目63 - SM小説 異端者

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SM小説 異端者

真夜中のラブ・ソング

 鏡に映る現実は残酷だ。  くっきりと浮かんだ二重顎に見事に太った林檎体系。  智子は大きく溜息をついた。  次の誕生日で智子は50歳になる。  インターネットでは声が若いこともあって少し年齢が低いスカイプ友達もいる。  自分の母親と大差がない二十代後半の男性ですら智子に好奇心のあまり出会いを投げかけてくる。でも現実は芸能人のようにはいかない。  見事に太りきった下半身。  子供を産...

真夜中のラブ・ソング 2

 ウツを理由に休職している課長の代わりに田辺が来た。にこやかな笑みを浮かべる田辺に「お力になれることがありましたら」智子は社交辞令を述べた。  年長者というだけで仕事がいつだって一つ増える。そのくせ時給が上がることはない。  このご時勢に正社員として採用されたことを感謝しなければいけないのかも知れない。40代半ばを過ぎた就職活動は見事、玉砕を続けていた。  ここもまたダメだろうと思いつつの面...

真夜中のラブ・ソング 3

 これもまた、ただの社交辞令だ。智子はぼんやりと辺りを窺う。悪い気はしない。田辺は智子が返信をしないでいるとメールを送信してこなくなった。  てきぱきとした田辺の仕事ぶり。プライドが高いだけの前の課長とは大きく違う。田辺は分け隔てなくきっちりとした意見を言う。若い職員を大事にしない今の企業は老齢企業だ。このご時勢になっても未だ縁故入社を優先していた。だからパートのなかで新人の癖に横柄なものと仕事...

真夜中のラブ・ソング 4

真夜中のラブ・ソング、電子書籍として出版が決まりました。 出版社側の意向として、掲載は4話までとさせて頂きます。 最新作品はこちらから→ TOP  鏡を覗き込んだ智子は考えた。いつしか努力を忘れていたことは多い。40代に入ると一年一年を積み重ねる月日の違いを大きく感じた。40代に入った頃は当たり前に歩いていけた距離が遠い。太ったのもあるのかも知れないが次の年になると息が切れ...