淫楽の洋館 - 1ページ目50 - SM小説 異端者

Welcome to my blog

SM小説 異端者

淫楽の洋館

 淫楽の洋館      男はディナーを思わせる一席についた。  差し出されたメニューを眺める。    どれにしようかと思いながら一枚の写真を男は指先で弾いた。        男が案内された一室に眩いほどの照明が灯る。  まだどこか、眠りから覚めきらない表情で女は男を見た。  滞在は一週間ほどを予定している。  避暑地に相応しい新緑に包まれた瀟洒な建...

淫楽の洋館 2

 どれほどの味わいであるのかをシェフに語る必要がある。 「ここはどこ? こんなに楽しいこと、はじめてだろう? もっと楽しんでごらんよ」    死者であった扉が開かれ、肉体に魂が宿る。  神は、禁断なる聖地を授けられた。    男はすべてを神聖化する考えを真っ向から否定する。祈り、捧げることになんの意味がある。  なにもかもを神聖化したところで、神はなにをしてくれるというのだ。...

淫楽の洋館 3

 戸惑い続けるくちびるに男はくちびるをよせた。光沢をみせる色合いのくちびるが震え続けている。 「ほら、我慢しないと気づかれちゃうよ。これからのダンスが」  契情の蕾を刺激する男の指先、  意味深な笑みだけがここでは交差し続ける。  契情はついに欄干にしがみついた。荒い息遣いを必死に押し殺している。  貴婦人達の相手はいつだってできる。  媚薬の酒のグラスは相手をかえて果てしなく続いてい...

淫楽の洋館 4

「おいで」  身分の低いものは高貴なものに声をかけることができない。  城伯など、ただの司令官の称号にしか過ぎないでいる。  娘を高貴なものに差し出すことによって副伯にでもなれたらこれ幸いだと考えているのだろうか。  城伯も副伯と地位など大差はないが庶民からさらに地位が上がる。  公爵は城伯の小娘を連れ歩き出して行った。侯爵達が城伯の小娘に気づかれように数人がゆっくと公爵に続く。  城...

淫楽の洋館 5

「ここにいる貴婦人達は一時の淫楽を楽しむ為にきている。修道女の女のように生きるのもいい。ただ子を宿す。それもいいだろう。まだ小娘といっても草花で花冠を作るだけの時期は過ぎただろう?」  広い屋敷で人形のように置物にされる。ただ刺繍をするだけの日々。たまの語らいはメイドだけ。そんな日々のなにが楽しい。  貴族というのは華やかに見せておきながら実に滑稽なまでに退屈だ。 「お前の父上はさらなる野望...