SM小説 異端者

舐め犬 5

 血の匂いとは違う経血独自の甘さ。変態性欲を刺激してやまない香《かぐかわ》しい香りが鼻腔をくすぐる。西田は香りに酔い痴れ、恍惚とした意識に思わず卒倒してしまいそうになる。  ここの感度はどれほどのものなのか。生き血を啜るように経血を西田は味わう。力尽きたように、だらりとした博美の足首に足枷を片足ずつ取りつける。と、そっと持ち上げ手枷を繋ぐ頭上のアーチに取りつけた。  西田はビデオカメラを確認す...

離岸流 21

 養護施設から伯母は司を養子として引き取った。生まれてすぐに養護施設に預けられた司にとって本当の両親を知らないでいる。  今の今でさえ逢ったことはない。だからと云って、いないほうがいい両親だっている。  表面だけを取り繕った、ただの人形屋敷。そこに住むものに魂など存在しない。  また、あの時の赤い月がみたい。琴子を惑わずおぞましい呪縛。 「琴子ちゃん!」  ようやく琴子は伯母の声にゆっく...

歓楽街 4

 まだ須藤が風俗の店長をしていた時は応援したくなる女の子がまだいたが今は難しい。店も店でいい加減だ。  名古屋の歓楽街に摘発があったのは須藤が記憶しているのは一件。  それも噂の域でマンションの一室、一室を営業店として提供しているところもある。売春の温床すら平然とまかり通っていた。  人気が根強い子は不思議と顔が地味なことが多い。  入店とともに爆発的に人気がでる子もいるが外見がどんなによ...

舐め犬 4

 西田は動かなくなった博美の手首に片側ずつ手枷をつけると博美の頭上に引っ張りあげた。  パイプベッドが拘束ベッドのようになった。丸いシルエット。パイプベッドのデザインが枷を繋ぐのに丁度いい。博美の頭上に拘束させるためのアーチ状になった箇所に西田は手枷を繋いだ。  両腕をほどよく広げた博美はなにも知らず西田のされるがままになる。  監視カメラから覗き続けた博美の乳房。まるでプリンのようにいつだ...

舐め犬 3

 照明に盗作カメラが仕掛けられてあった。日々の博美の日常が執拗なまでの粘着質な厭らしさがまとわりついていた。  一枚、一枚とコンクリートの一角に貼られる博美の写真を西田は異様に見つめ続けていた。ようやくこの日がきた。  腋臭《わきが》を誰もが不快に思うわけではない。体臭が少ない日本人と腋臭が多い白人。ほどよい加齢臭はフェロモンにすらなる。日本人は匂いにどこか敏感だ。  あまりに潔癖すぎては生...

離岸流 20

「いいですね」  琴子は微笑ましく笑った。 「素晴らしい世界ね」  そう、そうね。  いつか私も故人となる。それまでに私になにができるだろう。  今はこころの整理が一番に必要だ。と、琴子は澄んだ清らかな風に吹かれていた。  穏やかな眠りは疲れ果てた琴子に大きな安らぎを齎してくれる。  我に返ったように琴子は目を覚ますとゆっくりと起き上がった。まだ身体が重い。  婆やが光だとしたら琴...

舐め犬 2

 洗濯機置き場がベランダにしかないことが不満だったがしかたがない。  換気ついでに博美は窓を開けベランダにでた。目前に立派な一軒家の壁がある。手を伸ばせば届きそうなこの距離が賃貸の値段を大幅に下げていた。  しかし外から洗濯物を覗かれる心配は少ない。一階の一番奥の角部屋。ベランダからの眺め以外を除いたらこの賃貸を渋る意味がなかった。  エアコンや照明が設置してあるのもありがたい。外を眺めてい...

舐め犬

 一見すると壁に嵌め込まれたただのウォールミラーにみえる。  クローゼットの隣に怪しまれない程度のウォールミラーが嵌め込まれてあった。それがマジックミラーになっていることも知らず部屋を見に来ていた博美はこれからの生活に目を輝かせた。 「築浅ですけど日辺りが悪いのでこのお値段になります」 「一人暮らしが夢だったんです」  大学生になりようやく博美は大学近くのマンションで一人暮らしができるよう...

創作日記

 更新が滞りがちで申し訳ないです。    いまは違うことを吸収する時期なのか。ようやく登録できたブックパスを漁る。    読み放題なのがありがたい。    自身の作品も20冊を超えて、そろそろ一つの山場ではないかと筆を止めてました。    ふと脳裏に浮かんだのがフェチ行為を楽しむSM。    ただ自身の趣味だと勘違いされたら嫌だなと思いながら構想を練る。 &n...

離岸流 19

 ポツンと独りぼっちなこころが虚しい形となってキャリーバックのなかにある。 「なにかあったら、いつでも声をかけてね」 「はい」  呟くような琴子の声が純白の白さに包まれた広い空間に彷徨いでた。  ベッドに横たわった琴子は伯母がドアを閉めると大きな溜息をついた。  ふと流れ落ちた涙が頬を伝う。  ずっと琴子は婆やの後ろに隠れていつだって現実から逃げ続けていた。  悲しいことも辛いことさ...

離岸流 18

         *        沈痛な面持ちで琴子は大きな門構えの前にいた。木立の遠い隙間から瀟洒な屋敷がほんの少し顔を出していた。  思い切って琴子はチャイムを鳴らした。いつだって琴子にこの場所は安らぎをくれる。 「琴子です」  メイドが琴子の声に慌てて重い門を開いた。 「運転手さんお願い」  開いた大きな門をタクシーは通り過ぎようとしている。  ...

歓楽街 3

   時に二人は身を乗り出し大笑いしながら話す。滑稽なまでに稼げない店が多い。が、あえて赤字をだすことで税金逃れをしていることだってある。  採算を考えない歓楽街は見事に凋落していっていた。  風俗王と呼ばれた経営者も今はでは当時の輝きはない。多用していくニーズに答えないのが名古屋の特徴かも知れない。  使い捨てにされていくだけの風俗で働くだけの意味がもうない。  まだまだ男社会のな...

歓楽街 2

「やっぱり東京にはかなわないさ。その変わりに名古屋は歓楽街を中心に街ができている区がいくつかある。名古屋は風俗に寛大な街だとつくづく感心するよ」  ホタルは少し考え込むと「名古屋人が知らない街だから名古屋なんだろうな。椿。栄、池下、今池。柴田。中村区役所から近いソープランド街、大門。マイナーな商店街を抜けたらソープランドを中心に大型ショッピングモールがある」 「言いだしたらきりがないよ。いつだ...

離岸流 17

 毅然とした態度をださないから、いつだってこうなってしまう。  離婚が面倒で妻とまともに向き合うのも億劫。なにもかも無関心な癖して都合のいい時だけしゃしゃりでてくる。それが父親だ。  自分が生まれたとき、どうであったかを訊けばほとんどの父親が自分が生まれたことを覚えていない。  もっと簡単にいえば養育費。  払えないのではない。払わない。  だから私は子供はいらない。  自分もまた、あ...

歓楽街

 なーんかさ、  第二次ベビーブームで生まれた子供ってあまりに落差がない?!    本当、詰まんない人生。   「いまは、インターネットがあるからバカ男の情報なんてさらっと拡散できるけど、当時は携帯電話ですら、今ほどじゃなかったからね」  ホタルは「本当、くっだらね」と屈託なく笑う。  久々の再会に二人は思いきり抱きあった。 「なんかね、ずっとこの街を眺めていたら、チンケな街だよ。名...

美少女飼育倶楽部

 古いブックマークを掃除していたら、懐かしいゲームをみつけた。    美少女飼育倶楽部  http://jupiter-novels.sakura.ne.jp/petroom/pet.cgi    過去、自分も違ったのを作ろうとして残念なことにCGIの配布が終わっていた。    改造前のデーターは壊れたPC。    興味がある方はどうぞ。    ロリータ&美少女「究極の凌辱」超官能小説の部屋 総合INDEX   http://www.jupiter-no...

離岸流 16

 苛立ちと深い悲しみの中で琴子は康司にこれからを話す。 「費用は気になさらないでください」  葬儀に訪れた康司の妻に挨拶をすませた琴子であったが第一印象はあまりよくない。いくら親子であっても離れてくらせばまた違った自分にちかい他人となる。  あまりいい暮らしをしていそうにない夫妻《ふさい》をみていると琴子ができるのはこれぐらいだ。 「墓地なんですが」  琴子は気丈に振舞う。自分が泣いてい...

倒錯 完結

 月夜に映りだされる影が前に押し出される。閉じていたアナルが被虐に大きくくちをまた開かされた。  突き上げる腰の動きが胎内で重い音をたててしかたがない。  突き上げられるごとに怜奈はかぶりを振った。  そろそろラストスパートにしよう。  コツコツとこれからに足をむけるシュウの足音が聞こえる。  ドアを開けると縄をほどこうとする片桐と目があった。  疲れきった怜奈の目がどこか虚ろとしてい...

叫び 3

 日本人離れした聡子の外見はこれから成熟していく女性と考えたら、さぞかし極上の女に化けることだろう。  聡子はモデルとして活躍しだしている。誰もが納得してしまうしなやかな肢体に米沢はゆっくりと跪いた。汗ばんだ身体からメスの芳香が甘ったるいまでに香る。 「好きにしていいんだよ」  聡子は傲慢な笑みを浮かべた。 「女同士は裏切りあうもの。仲良くなんてなれない。よくドラマにあるじゃない。あれこそ...

離岸流 15

 彷徨いだしたこころが涙でいっぱいになっていった。  厳かに葬儀が行われだす。 「どこまでも無神経ね。身寄りがないから可哀想だと思ったのに」  無神経なのはどっちのほう。結納が近づいている。 「琴子!」  木村を想うもの達が葬儀場に集まり焼香をしだす。  咽ぶ涙を必死に押し殺し琴子は葬儀場で動けずにいた。形だけ来た母親を琴子は睨んだ。 「本当に縁起が悪いわね」  黙って項垂れていた...

離岸流 14

「ありがとう。婆や」  咽ぶ琴子はずっと渡せなかった一枚の写真をハンドバックから取り出した。 「見て、婆や。ずっと言い出せなくてごめんなさい。生き別れた息子さんはとても幸せな家庭を築いていたの」  こんな形でしか再会させられなかった。 「本当にごめんなさい」  木村は頑なになぜ琴子の婆やになったのか教えてはくれなかった。だから執事に頼み無理に調べてもらった。  四歳のときに生き別れてか...

離岸流 13

 それなら、あたらしい鳥かごを用意してもらえばいいじゃない。  あのひとは、私と一緒。壊れたこころの残骸に押し潰されそうになっている。  なら、壊れてしまえばいい。  ここには、どんなタブーもない。私だけをあのひとは慈しんでくれる。    気絶するほどに愛された。    その場に項垂れた琴子は執拗に鳴り続けるスマーフォンを恨めしげに睨んだ。どこまでも私のこころの選択肢さえも奪...

飼育 8 倒錯 47

 ハルキの背後に隠れている航は思わず「でた!」と叫びたかった。      シュウが立ち去ったことを二人は確認した。 「大丈夫みたいだね」  また突然、シュウが現れないことを祈りながらハルキが表玄関からここに繋がる重い鉄製のドアを開けた。    こぼれんばかりに山積みになった瑞々しい野菜を航は食堂へと運ぶ。  いつしかハルキは談話室で眠ってしまった。  航はたくさんの土...

叫び 2

 コスプレなぞ興味がない。本物が欲しい。  男らはインモラルな遊びを持ちかけられ面白がっていた。優花を妬む友人の魂胆がそこにあった。 「いつもいつもいい子ちゃんぶってて腹が立つのよ! なに感傷的になってんだか。バッカじゃなの!!」  校舎に佇む優花を睨む聡子《さとこ》がいる。  聡子と米沢はすでに肉体関係があった。飢えた妖光は獲物を貪欲に追い求める。  部活の顧問であった米沢と聡子は二人...

飼育 8 倒錯 46

「そうなんですか?」 「ここはあくまでもシークレットだからね」 「それもそうですね」  SPが一度外にでて安全を確認している。 「僕も手伝うよ」  台車を奥からハルキがもって来ようとしていた。 「たくさん荷物があるのならシュウに頼んで表玄関から運び込んだほうがいいよ」  ハルキの声に航が歩き出そうとしていた。 「待って。いま、シュウはいないんだ。とにかく談話室で待っていようよ」 ...

生贄 完結

 宮下は腕時計をじっと見つ続けた。不安がる清美は宮下に抱きついている。そろそろ踏み切りの音《ね》が聞こえてもおかしくない。  そわそわと宮下はまんじりともせず腕時計を見続けた。  宮下は大きく息を吸い込んだ。こちらにむかってくる列車とともに踏み切りの音が聞こえる。 「清美」  その場に座り込んで動けない清美を宮下は立たせるとしっかりと手を握った。ずっとこうしていられたらいいいのにな――――。 ...

叫び

 季節とともに移ろいでいく校舎の光景が優花《ゆうか》は好きであった。  いつもと変わらない毎日が続くと優花は思っていた。  友達と一緒にいるよりも優花は一人が好きだった。 「ちょっと来てくれ」  不意に優花は体育教師である米沢から声をかけられた。  期末試験が近いせいか、優花が好きな校舎は静まり返っていた。 「先生?」  優花は疑うこともなく米沢について行っていた。米沢が体育館倉庫に...

生贄 68

「ありがとう。嬉しいよ」 「一緒に償い続けたい」  清美は三浦の話しに共感していた。 「うん、少し眠ろう。これだけ暖かければ眠れそうだ」  宮下は腕時計を薄暗い夜空の下、しっかりとみた。  まだ、うたた寝ならできる。  抱きよせた腕のなかで清美は幸せそうに笑った。  もう少しで駅内に明かりが灯る。    抱きよせた腕のなかで清美が安心しきった穏やかな寝顔を宮下にみせてくれる。...

生贄 67

 質素な幕の内弁当を宮下は清美に手渡す。 「これから、この先、まだ、なにが起こるのかわからない。服役が終わった頃には俺はもう爺さんになっているだろう。それでも守りたいんだ。清美のこれからを。なにも言わず守らせてくれないか。清美が本当にこころから笑える日がくるまで」  俯き、なかなか箸をすすめない清美に宮下は笑いかけた。 「俺は今日の日を絶対に忘れることはない。一生、死ぬまで」  黙々と食べ...

離岸流 12

 激情に溺れる激しいロマンス。  いつだって、こころときめいていたい。  求め合うもどかしさが尊敬にかわる。  その想いが愛であって欲しい。  お互いを尊重しあう。  なかなか簡単そうで難しい。  だから、男と女はいつだって、すれ違う。  僕だけの女神を五十嵐はいつだって求めていた。  いつか、また逢える。    そっと、おやすみ。  僕だけのビーナス。    ...

飼育 8 倒錯 45

 快速に飛ばすシュウとSPを連れたハルキが慎重に入り口に向かっている。  入り口に高々と積み上げ続けられるダンボール箱の中身はいったいなんなんだ。  入り口が近づくとSPがハルキを挟み込むように前後についた。  前方についたSPがそっと入り口のドアを開けようとしている。  知られてはいけない海運倉庫の本当の素顔。出入り口は厳重に管理されている。積荷をあげ下ろす表面を取り繕った外面の出入り口...

生贄 66

「それでよかったんだ」  宮下は空を仰ぎ「俺はバカだった。本当にバカだった」 「みやちゃん?」 「篤実《とくじつ》。わかるか?」  清美はただ、かぶりを振った。 「面倒見がいい里美さんと人情家な佐竹はいつだって困っているひとを見捨てられなかった。当時、俺はただの暇人。それぐらいにしか二人を思えなかった。本当に情けないよ。佐竹がいなければ俺は清美を助け出すどころかとっくに死んでいた」  ...

飼い殺し出版化

 飼い殺し出版化。    前回のアジサイ繋がりな表紙に思わず苦笑い。      飼い殺し      表紙が質素だから毎回、題名はインパクトがあるのを考えるようにしている。    しかし、年々変な天候になっていっている気がする。なかなか体調思わしくなく執筆できないのが残念。体調崩しているひと多いです。個人的に好きな声優さんも静養を声明。クレヨンしんちゃんの...

生贄 65

 あえて宮下は清美との距離をとった。清美は宮下の目をそっと覗き伏せた。  ドクンと鼓動が高鳴るのが宮下にはわかる。  今さらな感情に宮下は大きく戸惑い噛みしめた。誰かを好きになる感情ってなんだろうか。  刑期が十年だとして、来年二月に四十歳になる宮下は途方もない月日をどこか思い知らされる。  もし十年。  人生をやり直せたらなにができる? 清美は十年後に二十七歳になる。  刑期ほど、無...

生贄 64

 宮下を乗せた車の後ろにセダンがずっとついてきていた。  セダンの後部座席から後藤が下りてきた。佐竹も車から下りる。  宮下に作業用の毛布を佐竹が手渡した。 「本当にありがとうございます」  堂々とした出で立ち。まっすぐ佇むその姿に宮下は深々と頭を下げた。清美も慌てて頭を下げる。  頭を下げた宮下に後藤は微笑ましさを浮かべた。  下げた頭を宮下はなかなか上げられない。 「今日の日を忘...