SM小説 異端者

離岸流 天より星よりも 完結

「なら、僕だけの女神だ」  五十嵐は閉じようとする瞼を必死に押し上げていた。 「あなただけを天に帰すわけにはいかない」  琴子は五十嵐にナイフをなんとかしっかり持たせると勢いよく倒れ込んだ。二人の鮮血があわさる。 「外が騒がしくなっているわね」  どんよりと琴子の意識が遠ざかっていっている。  二人は微笑みあう。  寄り添うように二人は身体を重ねた。 「お嬢様」  遠ざかる意識の...

離岸流 天より星よりも 32

 乾いた音が琴子の脳裏に響いた。手を伸ばせば届く位置にナイフが転がっている。欲情しきった金沢は琴子の異変に気づかない。  ガウンを金沢が脱ぎ捨てたところで琴子は咄嗟にナイフを握った。  私に触れていいのは彼だけ。  ようやく金沢は琴子の異変に気づいた。手にしたナイフがハンバーグのような感触を琴子に感じさせる。  一度刺し、二度刺すと琴子は力任せに金沢を突き飛ばした。  五十嵐はその光景を...

舐め犬 30 淫蕩の眠り姫

 西条は目覚めた博美の口枷をようやく外す。 「お前は俺たちの奴隷だ」  自由になったくちを閉じようにもくちを動かすにつれて顎が激しく痛む。不快感をあらわに博美はくちを動かしながら西田に恐る恐る視線の先をむけた。 「お前は主人を悦ばせるんだ!」  乾ききったくちのなかは滑らかに言葉が押し出されない。 「確約できるか?」  博美の目前に洗面器に入れられた水がある。吸い寄せられるように博美は...

舐め犬 29 淫蕩の眠り姫

「お前がいつも口煩いからそうなった。いつも言いすぎだと言っただろう」  二人のやりとりを西条は静かに見やる。日本人というのは海外と違って過保護だ。 「一人暮らしをするのなら、貯金をしたほうがいいと言っただけです!」  背中を向け合う二人を西条は突き放した目でみている。いつだってそうだ。目先の金額を惜しむあまりに人生経験をおざなりにしてしまう。  人生は金で買えるものではない。その過保護さが...

舐め犬 28 淫蕩の眠り姫

「ダメ、もうダメ!!」  快楽の坩堝が押し込まれた指先によって強く刺激される。膣内に押し込まれた指先が博美の冷静さを奪い去っていく。指先を突き上げられるごとに押し寄せる激しい尿意に博美はうろたえ、されるがままの人形と化すしかない。  西条は歓喜の憂いに博美の割れ目に蝋燭の蝋を落としていくと面白いまでに博美の身体が弾みみせようとした。  そろそろいいだろうか。  博美の足首を縛り上げる縄をほ...

舐め犬 27 淫蕩の眠り姫

 躾けてください。  そういいながら、好きなプレイを選り好みしていないか?! そんなの躾とは云わない。ただの茶番だ。  しきりに刷毛で博美の脚を刺激していた手を西条は休めた。上半身を舐めまわしていた男らが西条が手を離すと離れた。 「あ、あああ、熱い!」  至極の歓喜に嫌でも西条は博美の身体を大きく震わそうとする。西条は博美に熱湯にも似た蝋を浴びせだす。  博美の頭上に網目の円盤が吊られる...

離岸流 天より星よりも 31

 抑揚のない冷たい声が響いた。五十嵐は琴子の背中を押した。 「裸になれ」  五十嵐はこの男のことを金沢と呼んだ。五十嵐の父とは生前、とても親しかった。  琴子はこれからに戸惑う身体を起こした。どうしていいのかわからないまま、琴子は着衣を脱ぎだす。もう私は逃げ隠れしない。  彼が望む答えがここにある。  着衣を躊躇いがちに脱ぐと琴子は金沢に言われるがまま四つん這いになろうとした。 「待て...

舐め犬 26 淫蕩の眠り姫

 胸を迫り上げるように拘束された博美の身体はピクリとも動かせない。手足が引き伸ばされ、身体中が激しく痛んだ。  西田の表情に深い恍惚感がある。なにもアブノーマルはプレイをするから愉しいとは限らない。  ただただ、穢される過程を愉しむ。  舐めるように視姦を愉しみ、脳内でこれ以上ない妄想をかきたてる。  博美がなにを思い叫びあげるか、  そう考えるだけで、これからにワクワクするじゃないか、...

舐め犬 25 淫蕩の眠り姫

 まだまだ未曾有な快楽が西条の探究心を煽ってしかたがない。次はどんなプレイがいいだろうか。  ローションで濡れた指先が割れ目を押し開いた。戦ききるスリルに陰核が硬く熟れている。陰核に触れると博美の身体が多感に打ち震える。 「そろそろ最後の仕事に取り掛かるか」  西条は先ほどまで西田が遊んでいたバイブレーターにローションを垂らす。と、しっかり根元まで膣内に押し込み縄で固定した。  恐怖に強張...

離岸流 天より星よりも 30

 望んだ死。  悲しむ人がいるかぎり、それはやぱり独り善がりなのかも知れない。  遠ざかる車を琴子は静かに見送る。そのまま駅の待合に停車しているタクシーに琴子は乗り込んだ。  見上げる赤い月が目的地に近づくに連れてさらに大きくみえる。  桟橋がみえてくると琴子は薄暗い埠頭を覗き込んだ。この先に貸し倉庫が並ぶ一角がある。  五十嵐は貸し倉庫は桟橋から直ぐだと言っていた。  しかし、貸し倉...

舐め犬 24 淫蕩の眠り姫

「いや! もう、いや!!!!」  エクシタシーが近づくにつれて、弾ませきる下腹部が大きく規則的に波打つ。貼りつけられた通電パットが博美の拒みを奪い去る。  ついに大きくピクン! と身体を跳ねさせると博美はついに淫水を吐き出した。      失踪       「この女でいいな」  西田は西条の問いかけに頷いている。 「帰すなら、まだなんとかなる」 「博美ち...

舐め犬 23 淫蕩の眠り姫

 押し込まれるバイブレーターの深さが増すごとに博美の顔が険しくなる。押し出したままの乾いた舌に西条が舌を絡ませてきた。博美の舌が思わず逃げようとする。  触れた舌先に博美は鳥肌を浮かべながらも、どこか欲情している自分がいる。  西田はしっかりと飲み込ませたバイブレーターを縄で固定するとスイッチを入れた。  火照りきった身体があまりのバイブレーターの威力に下腹部が弾む。  西条は味わっていた...

舐め犬 22 淫蕩の眠り姫

「舌をだせ」  虚ろとする博美は西城の声に視界を思わず前にむけた。  力尽きたように俯いたままの博美の髪を西条は力任せに掴む。 「聞こえないのか!」  戦きながら博美は怯えきった瞳をそっと動かした。汚らしいものをみるように博美は西田を一瞥した。 「どうした」  博美の視線に気付いた西田が遠隔操作のバイブレーターを動かす。振動をはじめたバイブレーターを西条が隠しどころに押さえつけた。 ...

離岸流 天より星よりも 29

 慌てる運転手に琴子はしっかりと伝える。 「悪いのは私。私の母と違って伯母様なら、きっとあなたを叱責しないと思うの」  琴子は自らのくちびるに指先をあてた。 「叔母様から厳しく言われているのね。あなたが嫌なら、私は歩いて、ううん。どんな手段を使ってでもここから目的地に向かいます」 「そこまで仰るのなら目的地だけでもお願いします」 「朝日が昇るまで、あなたは約束してくれる? 目的地を絶対に...

離岸流 天より星よりも 28

 あなたが、私を穢してくれなかったら私はとっくに力尽き、もう生きていなかったかも知れない。  だって私も独りよ。  もう婆やはいない。 「琴子ちゃん」 「どうしたの? そんなに慌てて、叔母様ったら」  クスッと笑った琴子の手を五十嵐はそっと握った。  耳打ち際に囁かれた言葉に琴子は答え返す。    天より星よりも  死の運命を背負ったあなたの静寂が私にはしっかりと聞こえる。 ...

舐め犬 21 淫蕩の眠り姫

 ショーツのようにゴム紐がついたリモコン遠隔操作のバイブレーターは隠しどころにしっかりと装着できるようになっている。   なにもそう急ぐな。  緊迫とした博美の意識が今に十分に堪えられるように、じっくりいこうじゃないか。  西条はクランプメーターを取り出した。 「すぐに欲しい身体にしてやるさ」  博美はしきりにかぶりを振った。逃げ出せない感情ほど排他的なことはない。  西条は博美を...

舐め犬 20 淫蕩の眠り姫

 引き裂かれた皮膚から夥しい鮮血が滴る。  あまりの痛みに虚ろとする博美に西田はホースで真水を浴びせ、嫌でも博美を我に返す。 「どうして僕のいうことが聞けないの? 博美ちゃんは悪い子だ。それとも、そうか、もっと欲しいんだね」  肌に食い込んだ有刺鉄線を西田は力任せに引き上げた。  あまりの痛みに博美は目を見開き失禁をしてしまった。狂気に満ちた西田を直視できるわけもない。熾烈な痛みが博美の精...

風俗嬢の、よくあるある辞典

 偶然みつけた風俗嬢の「あるある」をユーモアたっぷりに四コマで描かれている。            困ったお客って本当に多くて、顔を舐めてくるお客さんも稀にいます。    ある女の子は「目玉まで舐められた!」と憤慨してました。化粧がほとんど、とれた顔で「カラコンどうしてくれるのよ!!」    幸いカラコンはズレただけでしたが、来客するお客の半数は...

舐め犬 19 淫蕩の眠り姫

 薄ら笑みを浮かべた丸々と太ったガマガエルが眼鏡をかけている。 「博美ちゃん」  いつ聞いても気色が悪い声と容姿。博美はこれからに震え上がりながらも、西田から目を逸らした。  直視すらしたくない。  顔を背け、これからに逼迫する博美は西田が手にしているスパイクがついた革製パドルに嫌でも全身が震えてくる。  顔を背けたままの博美の髪をベネチアンマスクをつけた西条が力任せに掴んだ。 「裸に...

生贄出版化

 思ったより早く発売となります生贄。            今回の表紙はいいね。  定住を決め込んだ居候も納得。  本の虫だけあって読了や誤字探しと重宝しております。が、    DMMゲームで可愛いカードがでるたびにいちいちと見せに来るのが大きな難点。    原稿書いているときはもう、本当にイライラさせられます。    今年も残すところ...

離岸流 天より星よりも 27

 琴子の脳裏に殺伐とした閃光が渦となり風景となってみえてくる。  あなたも私と一緒なの? ううん、私以上に暗くてとても冷たい――――。 「父さんは僕を愛してくれた日がありますか? あなたに刻まれた傷が疼く日、僕と母が愛しあい、一つになった」  車椅子に座る父親は五十嵐になに一つとして答えない。 「あなたもまた、僕に罪を負わせるためにしか存在してくれなかった…………」  傷つくのが怖くて、どう相手...

舐め犬 18 淫蕩の眠り姫

 ほどよい重さがあるエンゲージリングが乳首にぶら下がり揺れる。 「ウェディングリングも容易してあるからね。ちゃんと僕の言うことが聞けるようになったら、結婚しよう」  ぶら下がったエンゲージリングという名の逃げ出せない被虐の錘が揺れる。  博美は絶望に打ちしがれる。西田が屈み込んだ。 「もうこんなに、濡れているよ。博美ちゃんはやっぱりHだ。いっぱいHなことをこれからしてあげるよ」   ...

離岸流 天より星よりも 26

「この男よ! 私のなにもかも奪った男は!!」そう言えたら、どれだけ楽だろうか。  五十嵐は肩をすくめ、両手をおどけたようにひろげた。 「やれやれ、どこに行っても同じだ」          *        僕は君の運命を知っている。   「とんだ、お嬢さんだ」  男らに取り押さえられ、琴子は身動きができないでいた。 「辱めには屈しない。本当にそうだ...

舐め犬 17 淫蕩の眠り姫

 仄かに室内を灯すシーリングファン。あまりの恐怖に直視することすらできない無数の責め具と拘束するためのホイストらがある。    気がふれたように博美は押し開かれたままのくちから、叫び声を上げる。足掻こうとする博美に西田は「まだ、お仕置きが足りないようだ」  西田が釣り針を手にすると博美は顔を蒼褪めさせた。 「博美ちゃんは僕だけのものだ」  鋭利な先端がローションをゆっくりとなぞる。 ...

舐め犬 16 淫蕩の眠り姫

 博美は恋愛に奥手なのか、女友達が来ても、あまり恋愛の話しに参加しなかった。  これだけの肉体をしていながらも、バイトに博美は明け暮れていた。なんとかして今の生活を守ろうとする博美の頑な思い。  清貧であって社交的。我慢強い博美の性格はまさに西田の好みであった。  折り合いの悪い母親から逃げようとして博美は西田にやすやすと囚われた。  この賃貸でなければ博美は将来、大成したかも知れない。 ...

舐め犬 15 淫蕩の眠り姫

 ずらしたショーツの隙間からバイブレーターが押し込まれ、じれったいまでに小刻みにバイブレーターが動かされる。  ショーツに押し込まれたままのローターがバイブレーターに取り付けられたローターの振動に重なる。  嫌でも博美の肉体が過敏に過剰までに反応してしまう。乳房を弄ぶ男らは博美の叫び声にも似た呻き声を弄んでしかたがない。  ローションで濡れたラインを男らが乳房ばかりでなく、たっぷりと上半身に...

舐め犬 14 淫蕩の眠り姫

 男が考える代物と女が考案し作られるラブコスメを使いわけるだけで快楽はぐっと深まる。  ゲスな野郎発想だけでは女は発情しない。 「ぜーんぶ、博美ちゃんのために用意したんだよ」  責め具がぎっしりと並ぶ空間で大きなモーター音がとどろいた。  博美は顔を逼迫し、これ以上を拒んだ。  押し出される悲嘆な呻き声がアクメに変わる。振動を続けるローターに西田はターボ型の電動マッサージャーを押しつけた...

舐め犬 13 淫蕩の眠り姫

 両足を大きく開げさせられた、あられもない痴態が鏡に映りだされている。  背伸びをするように両手首に通された縄が頭上にたわみもない状態で引っ張り上げられていた。  首にも縄が通され、縄が通されたすべてに針金が巻きつけられていた。博美はまったく身動きができない。  管理会社をとおした賃貸契約は大家である西田を博美は知らない。ベネチアンマスクをした男らがぼんやりとする博美の意識が戻るのを待ってい...

離岸流 天より星よりも 25

「どうして?」  琴子はそう言いかけて言葉を噤んだ。伯母にあの男のことを訊くことに躊躇いが浮かぶ。司なら、答えてくれるかも知れない。  どよめくパーティー会場に一矢が放たれる。大きな動揺と軽蔑がまじるなか五十嵐は堂々としていた。  急いで琴子はテラスに隠れるように動こうとした。ヒソヒソとした話し声が辺りから嫌でも聞こえる。  その声はどれも琴子には信じがたい。華やいだ一室は闇を覆い隠してし...

舐め犬 12 淫蕩の眠り姫

 博美の両足を大きく開げさせると今にも暴発してしまいそうなイチモツを西田は突きたてた。腰を動かすにつれてペニスリングが博美の膣内を熾烈にこすりあげる。  なかなか日常では味わえないセックスがここにある。  西田は博美の首を締め上げると腰の動きを強めた。博美があまりの痛みに呻き声すらもらす。 「や、やめ、て」  虚ろな意識のなかで博美は苦悶に大きく突き動かされている。西田を満足させるすべてが...

舐め犬 11 淫蕩の眠り姫

 眉間に深い皺をよせた博美のくちから、嬌声とは思えない艶かしい声が西田の聴覚を震わせ狂わす。  西田は舌先を離すと、膣内に指先をぐっと、押し込んだ。まだ、触れられたことがないだろう性感帯を刺激する。 「あっ、うん……」  的確に小刻みに西田は指先で博美の性感帯をみつけると刺激し続ける。  腹部の上から、膀胱を押さえ、博美の性感帯を刺激していると、ピッィ! と、いつしか潮のようなものが噴出した...

離岸流 天より星よりも 24

 思わず見上げてしまう立派なシャンデリアが神々しい。 「お義姉さん、無理をなさらないで。お辛いなら、いつでもこの一室で休んでいてください」 「ありがとう」 「どういたしまして」  屈託のない円架の笑みに琴子は嫉妬を覚えてならない。  円架が親しみを浮かべる。琴子に屋敷のなかを一つ一つと案内してくれた。 「パーティー会場はこちらです」  さらに見上げる華やかなシャンデリアに溜息さえ覚え...

舐め犬 10 淫蕩の眠り姫

 眉間に皺をよせ、博美はなんとかして目を開けようとしている。 「博美ちゃん…………」  西田は熟れきった野蜜の嗅ぐかわしさを堪能しようと博美のショーツを脱がす。  透き通るような、なめらかな素肌に薄っすらと月明かりが灯る。 「こんなにもう、お漏らししているよ」  虚ろな意識のなか、博美は懸命に現実へと戻ろうとするが、嫌でも意識が浮き上がり深い闇へと追いやられてしまう。 「い、や、い……や、」...

舐め犬 9 淫蕩の眠り姫

 かえって自我がない今のほうが性感帯をより開発できるだろう。触れられたことのない未曾有は時に苦しさや痛みを覚える。  意識があればそれを拒絶しようとする。無論――――。縄で縛りつけてしまえば抵抗はできない。  うるさい、くちは塞いでしまえばいいが、それではどこか事務的で味気ない。 「博美ちゃん…………」  いつもと変わらない寝姿。西田は博美の耳元に鼻先を近づけると甘い香りを思わず嗅いだ。 「今日...

離岸流 23

「ありがとうございます」  ふんわりハーフアップされた髪型に琴子は満足げに微笑んだ。  用意された車に琴子は緊張した面持ちで乗り込む。本当にこれでいいのか、躊躇いが浮かぶ。  車は二台用意されていた。後続車の後部座席に琴子が一人いる。前を走る車に司と伯母。いま、どんな会話がやり取りされているのか、琴子は考え出すとキリキリと胃が痛む。  優しすぎる伯母がかえって琴子には怖く感じられた。  ...