sexl slave 10
男はなにも言わず部屋を出ていった。
*
嫌がる女を犯すことが楽しいのだろうか、ただ辱めるだけの淫具をはじめて見た。
男は相変わらず座ったままだ、用意された男は、いかにも女に飢えたような男が用意された。
言われるがまま後ろ手に縛られるなり、無造作に寝転んだ。
挑発するように大きく股を開いた、早く終わって欲しい。
触れられるたびに鳥肌が立つ、この男もまた下半身にしか興味を抱かない。
荒々しくショーツを脱がされるなり、下半身が丸裸になった、煌々と照らされるリビングの明かりを見つめながら小さく呻いた。
呻くたびにリードが引かれる、快楽さえ男のものだ。
男の目を見ながら、喘ぐしかなかった、欲しくなくても気持ちよくなってしまう。
気持ちよくされたなら喘ぐしかない、それが淫具だ。
用意された男は執拗なほどに責めてくる、かぶりを振って拒むしかない。
茂みの奥を掻い潜るかのように乾いた茂みに雨が降る。
季節はずれの雨だと女は言い聞かせた。
男が態々用意した男だ、そうは簡単にいかないだろう。
ねっとり、緩やかに強かだ。
用意された男そのものが淫具だと気づいた。
思わず閉じようとする足に縄が通された、閉じることを忘れた両足が、だらりと床に転がった。
仰け反るように思わず天上の明かりを見つめた、冷たい雨が今なら、まさに今が積雪のように思えてくる。
拒みはけして届かないだろう、呻くように目を閉じた、剃毛を見る男の目は相変わらず冷たいままだ。
積雪を覚えるような冷たい刃が新芽をあらわにしていく。
すべてが丸裸になった、もうこれ以上ないと思えた行為には次ばかりがある。
潜り込んだ反応を窺う指が痛い、男との性交の激しさを思い返すほどに痛いだけだ。
昨日の今頃に抱かれていた女が次の男を相手にする、それを疑問視しないのが、この男だ、モラルも快楽さえ、この男には通用しないのだろう。
欲しくも無い男から与えられる快楽は苦痛だ、今にも突き放したくなる。
女は男の目をしっかりと見るたびに、違うと思った。
目を閉じていれば違うことを考えられた、目を開けているから苦しいのだ。
スポンサーサイトsexl slave 9
惨めなほどに残酷だ、男が離れていったあと、虫唾が走るほどの禁断症状を覚えた。
「殺したいほど憎いのに」
身体の関係が途切れることはなかった、男が直接求めてきたことはない。
欲しがったのは自分だ。
誰に抱かれても、あの男ほどの高揚感はない、誰かを好きになることもなかった。
ただ退屈なまでの遊戯だ。
男の声を聞くだけで、全身に寒さを感じた、すべてが終わった瞬間、目を閉じた安らぎが慟哭となる。
本当の自分が壊れていった。
恥ずかしさも貞操観念さえ、男は奪っていったのだ。
下半身を丸裸にされただけのキャミソール姿に気づいたのはもっと後だ。
男が納得したように身体から離れていった次の日から食事が定期的になった。
あれほど大音響で流れ続けていたムービーも止まったままだ。
床に置かれた膳を眺めたとき、強く打ち付けた痕から下半身が見えた。
酷い顔だと思った、目が落ち窪み、アバラが数えられそうなほどに痩せた身体を見たときは、すべてが終わった気さえした。
食事が終わり、ここに来て初めてシャワーを浴びるなりソファーに蹲るように眠った。
男が欲しいのが下半身だけなら全裸でいい、どうせ着ても脱がされるなら、着たい着衣も用意されていなかった。
引き裂かれるのは着衣だけでいい、もうこれ以上、こころをバラバラにされたくはなかった。
痛みは受け入れてしまえば気持ちがいい、苦しさも過ぎてしまえば開放感があった。
すべての反動が麻薬のように感じる。
着衣は脱がすためにあるのだろうか、ここに来るとき持ってきた鞄を手渡された。
男のためにと用意した着衣や下着が恨めしく思える。
女はシースルーの赤いベビードールを選んだ、エレガントなレースが白い肌を浮き立たせるようなデザインを選んだつもりだ。
嫌らしくならないように胸元を隠す生地がチャイナ風の生地で覆われている。
それも結局は無駄な投資となっただけだ。
華やかさに色を添えるゴールドなロゴ風の模様が特徴的なお気に入りの一枚だった。
この男に白を与えるつもりはない、最初で最後の一枚だ。
男に鞄を突き返すなり、テラスの外をみた、これが本当に最後の抵抗だ。
sexl slave 8
今がまさにその時だと言わんばかりに鼓動が高鳴った。
終わりがあるのが今なら、終わりのない今もまた現実だ。
これが地獄と呼ぶべき世界なのだろうか。
錯乱したくなる現実を忘れてしまいたい、それが死なら、矛盾だらけの性欲が今を辛うじて繋いでいるような気がした。
殴られる痛みも排泄を強要される痛みも結局は一緒なのかも知れない。
欲しいの一言は一つの開放にさえ思えてくる、首に通された首輪からリードが見えた。
はじめて自分の意思で男根を頬張った、言われるがまま男の目を見た、なにをされても、お前は生きていたいのかと惨めにさえ思えてくる。
頬張れば頬張るほどにそそり立つ男根は、ぞくりとするほどの硬さがある。
どこまで頬張れば男は満足するのだろう、このまま泣き崩れてしまいたい。
リードが強く引かれるたびに男を見た、極限にまで追い込まれた体力が今にも悲鳴をあげそうだ。
一瞬の隙を掻い潜るように、深く椅子に腰掛けたままの男に擦り寄った。
「濡れてる」
仰け反るほどに気持ちがいい、これほどにセックスが気持ちいいと感じたことはなかった。
男が立ち上がるなり床に手を着いた、ぎこちなく腰を振るたびに、男は男根を力強く突き上げてくれる。
ただ、痛く苦しいだけのセックスが自虐的なまでに気持ちがいい。
雄たけびをあげるほどに呻いた、呻けば呻くほどに男根がさらにと硬さを帯びていく気がする。
「もっと」
思わず耐えられなくなって声がでた、もっともっと深く奥にと自分を痛めつけて欲しい。
壁に手をつけるなり男の動きが激しさを増してきた。
ただ痛いだけなはずなのに気持ちがいい。
号泣と嗚咽が重なるたびに、今を強く忘れることができる。
突かれるたびに腰を強く押し返した、幾たびにも重なる不思議な絶頂間に女の意識が自然と遠ざかっていった。
男が身体から離れたあと、所構わず叩きつけられた痛さが惨めなほどに、自分を慰めてくれる。
ここに来て初めて泣いた。
死にたいと本気で願うほどに惨めだ。
開放されても開放されたあとも男の影が脳裏から離れられないでいた。
「脳が覚えているの」
sexl slave 7
一点に縛られるように女の視点は、これからの褒美となる塩水だけが頼りだ。
削ぎ落とされた羞恥心が拒みを生んだ、だが、これから飲み干す塩水には敵わないでいた。
冷やりとした感触が臀部の隙間を埋めていく、抉じ開けようとする痛みでさえ心地いい。
女は平伏すようにフローリングに頬をよせた、痛さは思いのほかなかった、ぬめりに助けられるように大便が顔をだすのも時間の問題だ、便意を催さないほどの空腹でさえ、アナルに注ぎ込まれたグリセリンが嫌でも腹痛を伴った。
屍のように僅かに残った体力でさえ、生めるのだと思った。
言い知れぬ恐怖、まるで、すべてを見通す死神のように見える。
男に言われるまま、小水もすべて吐き出した、わななくはずの口元でさえ、意識を失っている。
意識は今を繋ぐ塩水にしか興味を抱かないでいた。
真横に置かれた悪臭でさえ視界にはいらない、男は言った、八月末日に開放すると。
視界を奪ったのは時計の日付だけだ。
七月にはいったばかりの日付はまだ、十日を過ぎようとしているだけだ。
女は思った、果たして生きてここを出られるのだろうか、そればかりが女の願いとなった。
映し出されるムービー、これから女がされようとする一部始終が大型テレビを通じて大音響となって響いてくる。
これからは意識すべても縛られてしまうのだろうか、静寂であったはずのリビングに絶え間なく流れる号泣と叫びが女をさらにと緊迫させていく。
「助けて」
小さく呻いた、耳を塞いでは垣間見る終わりのない世界が大きく女を飲み込んでいくようだ。
*
不定期に与えられる褒美は、いつになっても一つだけだ。
有り余るほどの恐怖が恐ろしいほどの性欲を生み出していく。
聞き慣れてしまえば、リビングを覆うほどの大音響もするりと流れ落ちていってしまう。
相変わらず両手は自由のままだ、最後の力を振り絞れば両足首に通された縄を解けるかもしれない。
遠くに見えるようで近いドアも、鍵がかかっているようで、するりと開いてしまうかも知れない。
だけど――
もし見つかったら、途中で捕まってしまえば、殺される以上に恐ろしい思いをするだろう。
sexl slave 6
「塩水を餌を――」
女は深く目を閉じた、
無造作に差し出された食材はただの餌にしか見えないでいた。
「二人を」
ただ意識を空っぽにすることだけが唯一、女に与えられた自由だ。
人形のように成すがまま男を二人相手にした、痛いも苦しさもない。
ただ犬のようにがっついた、ただただボールのなかに顔を突っ込み餌を頬張る。
死ぬ勇気がないから、生きていくしかなかった。
燃え盛るようなリビングの熱気が冷気に押されていく。
このまま私は飼い殺しにされていくのだろうか。
長く辛い夜がきて朝がくる。
男の要求がくるのを待つばかりだ。
気がつけば寒いほどの冷気が辺りを包んでいた。
熱砂のような暑さがないだけ、涙が溢れてくる。
目前に置かれた時計に日付が記されていた、ここへきて八日しか過ぎていなかった。
また、すべてが目前におかれる、手を伸ばせば届きそうで届かない。
「塩水を餌を――」
男の要求はなんだろうか、狂気を宿した変質的な思考。
この男には違う性的欲求がある。
目前で犯されていても男は大して興味を抱いていなかった、ただ目前を通り過ぎていく物にしか見えていない目だ。
だからこそ怖い、いっそうすべてを犯して欲しいほどに恐ろしい。
「ダメだ」
どちらを選んでも苦しさがくる、だからと言って褒美を突き放す勇気もない。
逆さまになったボールから餌が雪崩れ落ちていった、男が空になったボールに液体を注いでいる、今日の褒美は塩水だけだ。
床に散らばった餌に手を伸ばした手が空を描くなり痛みが走った。
男に蹴り上げられた指が手が痛い、恨めしげに覗けば頬さえ容赦がないだろう。
ぬめる液体が今にも糸を引きそうだ、指に絡めた糸が口腔を犯す。
舌で押し返したい滑りでさえ、飢えた空腹が喉の奥へと滑りさえも押し込んでいく、乾いた喉がゴクリと音を立てた、グラスに注がれた液体はグリセリンだ。
嫌な甘みが口腔に広がる、それさえも美味に感じるほどに飢えていた。
額から唇へ、顔の輪郭をなぞるように流れ落ちていく液体さえ愛おしい。
今からなにをされるのか、それさえも忘れるほどに喉が渇きに打ちなっていた。







