SM小説 異端者

怨憎会 25

 火を消し止められる時に千尋はバケツで水を浴びせられびしょ濡れになっていた。  一人の男がワセリンで濡らした指を千尋のアナルに指先を押し込む。  たっぷりと千尋のアナルにワセリンを塗り込むように男は器用に指先を動かす。  アナルを押し広げられるあまりの痛みに千尋は顔を顰め切っていった。  のこぎり型キットに取りつけられているディルドにもたっぷりとローションが垂らされる。 「やめて、怖い...

拉致 甘いしずく 3

 薄暗くなりだした一角に明かりが灯る。  投げ出すように莉緒はマットレスに叩きつけられた。恐る恐る辺りを莉緒は窺う。  車を運転していた田原が辺りを窺う莉緒の目に如何わしい笑みを浮かべた。  まるですべてを見透かすように田原は莉緒を大きく見下ろす。  他にも体格のいい酒井と田原と仲のいい宇野がいる。  宇野はうつ伏せになった莉緒の髪を掴み上げた。言葉などいらない。  相部屋...

怨憎会 24

 こんな形で自分が生きた跡が残るとは思わなかった。  揮発油で濡れた筆で聡は千尋の腹部に大きくメスと書いた。  千尋の髪を引っ張っていた男が聡に少し離れるように目配せした。 「もう、やめろ!!」  黙ってみていた博が声を荒げ叫ぶ。揮発油に点火された炎が千尋の腹部を焼く。  ほんの一瞬、炎があがったが火は直ぐに消し止められた。まるでオーブンだ。高温で一瞬にして焼かれた肌に聡が書いたメスの...

拉致 甘いしずく 2

 田園地帯が続くこの道は冬には真っ暗になる。  帰りの時間を考えてこのバス停を使う学生は部活にはいらず早々と授業が終わると帰ってしまう。  しかし早々と自宅に帰ったところで莉緒の帰りを待つひとはいない。もともと田舎町というだけあって閑散とはしているが治安は悪くない。  教師に一度、莉緒は咎められたが教師もあまり家庭事情を考えて強くは言わなかった。  なんとなく入った園芸部。美術でも...

怨憎会 23

 縄に不安定に揺れる千尋の腹部を伊藤は拳で打ちつけた。  片足を折り曲げた状態で千尋は押しよせる腹痛に顔を歪めきっている。  伊藤は千尋の体勢を前向きでなく後ろ向きにさせた。  博は排泄を余儀なくされた千尋に言葉を失っている。男らが千尋がいつ排泄してもいいようにバケツを幾つか置きだした。  まだこのプレイを続けるのか、伊藤はイルリガートルを吊るすとまた、千尋の腹部を拳で打ちつけた。 ...

拉致 甘いしずく

  どこにでもある田舎道。  莉緒《りお》は突然の夕立に駆け足になった。   ずぶ濡れの制服姿。  思わず莉緒は振り出した雨に空を仰いだ。  バスの時間を確認すると莉緒は掘っ立て小屋のように作られたバス亭で雨をしのぐ。  ベンチに腰掛けて突然の雨に莉緒は嘆いた。  迎えに来てくれるひとはいない。  両親が離婚してから莉緒は明かりの灯らないコーポでポツンと母親の帰りを待...

怨憎会 22

 さすがに二本目はきついのか、シリンダーが仲程のところで千尋の顔が醜いまでに歪みきっている。  千尋は汚液を吐き出さないように必死に耐え力んでいる。掻き消されるような小声で千尋は「でちゃう」と男らを制止するが、三本目の混合液が浣腸器に吸いとられた。  じょじょに千尋は冷静さを失いつつある。一人の男が三本目の混合液を流し込もうと屈み込んだ。 「助けて…………」  持ち上げられている片足がしきり...

怨憎会 21

 りんの全身が痙攣したように激しく脈動している。膣痙攣を起こしたりんは、くちを半開きにしたまま肩を震わし荒い息遣いを繰り返す。 「慈悲は無用」  倒れこんだりんに歩みよろうとした聡に伊藤はそう吐き捨てた。 「もうお分かりでしょう?」  伊藤は誰に話しかけているのだろうか。聡を一瞥したように感じれば千尋に話しかけた気がする。  この流れを傍観するしかない博に聡は言いようのない高揚感を覚...

怨憎会 20

「お前は誰のものだ」「…………はい、ご主人様のものです」 痛みに震え上がるりんの尻を伊藤は力任せに踏みつけた。 再び振り上げた矯正杖で伊藤はりんの尻を打ちつける。 打ちつけられる痛みにりんは涙を浮かべている。ファスナーが下げられる音にりんは身構えた。 伊藤に矯正杖を渡した男がファスナーを下げきると見事な起立が顔をだす。 ぐっと、りんの髪を掴み上げた男はりんを立たせると、りんの腰を掴み尻を突き出させた。...

怨憎会 19

 悪態と懇願を続ける千尋と、ようやく粘着テープが剥がれてきて言葉を取り戻した博。やはり沈黙が包む静寂はどこか味気ない。  つい、金を払うと言ってしまった博。  薄汚いこの世界を知らなすぎる。  清流に住む鮎らしい発言だ。  聡は転落し始めた博に侮蔑な笑みを投げかける。  その瞳を物悲しく、痛々しいまでに見つめるりん。  刹那に生きる。  いのちとは、いまを生きる時間。  そのいのち...

怨憎会 18

 空を仰ぐように千尋は頭上を上げた体勢のままファッキングマシンに振り回されるように吠えあがる。 「もう、いや!!」  千尋が平静さを保てたのは何分ほどであったのだろうか。  じょじょに千尋のくちのまわりが唾液まみれになってきていた。 「…………壊れる、壊れる!!」  しばらく千尋の変貌ぶりに聡は夢中になっていた。  快楽を丸裸にするとは、欲望を剥き出しにするに等しい。 「もう、やめてくれ...

怨憎会 17

「答えられないのか!」  言葉を探す千尋をけっして伊藤は休めさせたりはしない。  どちらに媚びを売ったらいいのか。俯く博と形勢逆転とした聡の勝ち誇った笑み。  まさかの形勢不利に千尋は頭を困惑とさせる。  なにかを咄嗟に思いついたのか、千尋のくちびるが動こうとしたところで、伊藤は薄っすらと開いたくちびるを抉じ開ける。  千尋の形相から、みるみる血の気が引いていった。  くちびるの隙間に...

怨憎会 16

 噛み傷に流血が伴う。  ズンッと地上から顔をだした杭は、まだ、これからの序盤にしか過ぎないでいる。  聡は連続モードを押した。飽き飽きする千尋の名演技を見ているのに飽きてきた。 「やめて、やめて! お願いだから!!」  ようやく聡が流れに乗ってきた。拒む千尋を聡は甚振りにかかっていた。最終ボタンは激しい騎乗位。  それなりに性経験があれば楽しめるマシーンだ。  伊藤が千尋から少し離れ...

怨憎会 15

 首筋に刻まれる魔の刻印。  折り畳み式ナイフがワイシャツと千尋の素肌を切り裂いていっていた。  伊藤の指示で膝を折るように縛られきった千尋の足首に縄が通される。  これでは、千尋が身体をよじらせられない。男らが縄の遊びがないまでにピーンと縄を張った。  この辺りからか、千尋はようやく肉体的、危機を感じだしている。 「お願い」  涙を浮かべ、千尋の表情が万華鏡にようにコロコロと変わる。...

怨憎会 14

 千尋なら、この流れに絶対に乗ってくる。  聡は確信していた。  いつ、千尋が伊藤に寝返ろうとするのか、伊藤はこの終わりをどう締め括ってくれるのか。  空振りばかりの人生のなかで、はじめて聡はホームランを打てた気がした。  その結末がどう虚しかろうと聡は構わない。  満足して死んで逝けたら人生、儲けもんだ。  逞しさを感じさせるディルドにローションが垂らされた。  ホイストがただ動き...

怨憎会 13

 調教というにはあまりにも惨い鞭の痕が傷跡として尻に残っている。室内が薄暗いせいで細かなところがほとんど見えない。が、伊藤のいかれ具合を考えると、聡はどこか、背筋がゾッとする。  ここは伊藤に反論せず点数を稼いでおけばいい。  余計な邪念は多大な失敗をもたらす。  聡が視界を前に向けたとき、千尋を吊るすホイストが動いた。 「聡、どうして信じてくれないの」 「減らず口はそこまでだな! 俺は...

監禁飼育 嗜虐な姦悪 出版化決定

 監禁飼育 嗜虐な姦悪 無事、出版化が決定されました。   >      似たりよったりの作品にならないように気をつけないといけないなと、考えつつ、怨憎会の執筆をマイペースに進めています。    怨憎会は仏語。  どうしようかなと辞書を読んでいたら、偶然みつけた仏語をヒントにしました。    なにがヒントになるかわかりませんね。    文書を書くよ...

宿カレ・宿カノ 完結

 慌ただしく指示をだす稲葉。  北村は空港に行く前にタクシーから一旦、下りた。出版社がある三階の雑居ビルを見上げていた。  はじめて出社した日なにを考えていただろうか。  運に見放され他社で実力を認められず、ただ腐っていた。  もう、なにもかもが面倒に感じられた。着慣れないスーツを窮屈な思いで着込み、北村はしばらく出版社がある三階を見つめていた。  思い切ってボールを投げ返しはしたが不安...

怨憎会 12

 伊藤が千尋に噛ませていたボールギャグを外した。 「聡、助けて」  憐れむような瞳を投げかける千尋の演技力は大したものだ。  にやりと伊藤が聡に笑いかける。なにか一癖ありそうなことでもするのだろう。  千尋にとって恫喝よりも恐ろしいのは孕むことだ。  伊藤のリアクションからして、これはこれからを愉しむ一つのアトラクション。  千尋に伊藤が「排卵誘発剤」と見せている薬剤は偽物だろう。 ...

宿カレ・宿カノ 32

「今日が最後なので」  顔見知りのウェイトレスが少し驚いた表情を浮かべた。 「シアトルに行くことになりました」  結城もまた驚きを隠せないでいた。 「一週間もしないで泣いて帰って来るかも知れないけどな」  自嘲の笑みを浮かべる北村に結城は「なにを仰っているんですか。もう帰る場所はありませんよ」  少し間をあけて北村が最後の日ぐらいはコーヒーだけではなくなにか飲食しようと結城を誘ったこと...

怨憎会 11

 まだ、本当のエクスタシーをこの女は知らない。  伊藤は千尋の苦悶に揺れる表情を舐めるようにみる。ローションで濡れた膣内が卑猥な音をたてる。  しっかりと性感帯に突き立てた指先を大きく上下に伊藤は動かし続ける。不安定に揺れる千尋の肉体が快楽のブランコのように揺れ動き続ける。  快楽を追及をしだしたら切りがない。  再び動きだした、のこぎり型キットに千尋が声を枯らす。悪戯に伊藤が刺激した性感...

宿カレ・宿カノ 31

「本当ですか?」 「ああ」 「是非、お願いします」  千春はまた、頭を下げた。 「夢を趣味にしながら、夢を追いかける。何事もマイペースに。疲れたら、しっかり休むことだ。ほどほどにね」 「はい」  ようやく千春らしい笑みが浮かんだ。 「本当に今日はありがとうございました」  千春が岐路につく後姿を松前は「私にはまっすぐすぎて千春君が怖いよ。なにかの拍子に簡単に折れてしまいそうで。今の...

怨憎会 10

 聡の視界を邪魔しないように女が聡とまぐわう。  腰をしきりに振る女に聡は思わず声を漏らす。  千尋もまた、声を張り上げようとしていた。押し込まれたバイブレーターが引き抜かれると伊藤は一人の男と入れ替わった。  熟れきった陰核を舌先で転がすように男は刺激する。  震えあがる両足は閉じることを許されない。陰核を舌先で刺激されながら、振動を続けるローターが押さえつけられる。  千尋は終わるこ...

宿カレ・宿カノ 30

「私も今日、メルマガを登録させてもらったよ。次の配信が楽しみだ。バックナンバーが非公開だから稲葉から聞き出すのが大変だったよ。メルマガを見せる代わりが、ここの飲み代だ。いやー高価なメルマガに参ったよ」  千春はどう返していいのかわからず、愛想笑いを浮かべるしかない。  牛すじを食べ終えたとこで千春が「ご馳走様でした」と言った。  千春が立ち上ったところで稲葉が店主に、おでんの持ち帰りを頼んで...

怨憎会 9

   千尋。  苦快の報いを、  噛みしめるように味わうといい。    聡は荒い遣いのなかで化粧っ気のない女に目を遣る。    こんなことをさせられても平気なのか。  思わず吐き出してしまったスペルマをこの女は旨そうに舐めた。  まるで猫のように、この女は聡のペニスを弄ぶ。  目を閉じると耽美な音色が聞こえる。  くちゅんと、した音をたて伊藤はバイブレータで千尋の...

宿カレ・宿カノ 29

「僕の同期。松前と言うんだ。前々から是非、千春ちゃんに紹介したいと思っていてね」  松前は千春に名刺を差し出すと「よろしく」と言った。 「よろしくお願いします。こんばんは。編集長」  千春は名刺を財布にしまうと頭を下げた。 「早速だけど、原稿を見てもらうといいよ。立ち話もなんだし座りなよ。千春ちゃん」 「はい」  松前がパラパラと原稿を見る。 「小説を完結させたことはある?」 「あっ…………。まだ、で...

宿カレ・宿カノ 28

 稲葉の連絡に千春は慌てたがメルマガの不備ではなかった。  メルマガの提案から一か月を過ぎた頃、ようやく記念となる第一号が配信された。記事の書き方を北村に訊き、おっかなびっくりの千春だったが根気よく北村は千春に付きあってくれた。  お堅い話ばかりでは息が詰まろうだろうと千春がクイズや小ネタを書き入れたらどうだろうと提案した。  メルマガの担当を任された千春は張り切っていた。  じりじりと千...

宿カレ・宿カノ 27

 数えるほどしかないスマートフォンに登録されている連絡先。結城は北村の名前を見つめていた。 「あれ、部屋間違えちゃったかな」  わざとらしく大学生風の男二人が勝手に入って来た。 「一人?」  馴れ馴れしい言い草に結城は苛立った。思わず顔をあげると「なんだ、ババァか。行こうぜ」  ドアも満足に閉めず男らはでていった。 「なによ」  好きでババァになったのではない。  遣る瀬ない思いが...